KSPMとは?
Kubernetesは、クラウドネイティブアプリケーションの背後の事実上のオーケストレーターとして先頭に立ち続けています。これは、最新のITエコシステムにおける基本要素になっています。当然ながら、このように広く普及しているということは、標的となる可能性が高く、強固なセキュリティの重要性が浮き彫りになります。
KSPM(Kubernetesセキュリティポスチャ管理)は、Kubernetes環境の防備を固め、一般的なリスクや脆弱性から防御し、コンプライアンスを確保するために使用されるフレームワークです。
この記事では、こうした一般的なKubernetesのリスクのいくつかを取り上げ、環境の保護に役立つKSPMの導入を検討する企業が増えている理由について解説します。
Kubernetesでの一般的なリスクと脆弱性
Kubernetesは堅牢なフレームワークですが、アプリケーションやデータの整合性を脅かすセキュリティリスクには依然として脆弱です。
Kubernetesでの重大なリスクの1つは、デフォルトの初期設定に起因するもので、初期セットアップ時に適切に調整しないと、しばしばセキュリティ上の問題が発生する可能性があります。Kubernetesを新規に導入するユーザーは、多くのデフォルト設定で悪用可能なセキュリティギャップが残る可能性があることに気付かない場合があります。また、組織に特定のセキュリティ要件やコンプライアンス要件がある場合、Kubernetesのデフォルト設定ではこれらの要件に整合しないことがあります。
さらに、設定ミスはセキュリティ侵害の一般的なエントリポイントになります。設定の単純エラーのために、機密性の高い操作やデータが不正アクセスにさらされる可能性があります。設定ミスは、見落としや人的エラーから発生する可能性があり、このため徹底的なレビューと調整が不可欠になっています。
ネットワークエクスポージャーとサービス脆弱性も重大なリスクを引き起こします。Kubernetes環境は元来、相互接続されたサービスに依存しており、ネットワークポリシーが不適切だと、内部または外部の脅威に入り込む余地を残すことがあります。1つの脆弱性が、ネットワーク全体に連鎖的な障害につながることがあるため、連鎖内のすべてのリンクを強力で安全にする必要があります。
連鎖的な障害の可能性のある問題は、多くの場合クラスター内で不注意により、または便宜上付与される広範な権限によって悪化します。Kubernetesでの権限がしっかりと制御されていない場合、攻撃者が特権を簡単に昇格させるための道を開くことになります。
セキュリティ侵害が発生した場合、ログ記録とモニタリングが不十分であると可視性が損なわれます。これは、インシデントの検知と対応を目指した取り組みを阻害します。イベントを包括的にログ記録しておらず、環境を定期的に監視していない場合、不正アクセスの追跡や異常な振る舞いの検知が困難になり遅くなります。
不適切に保存されたAPIキーやパスワードなど、流出したシークレットは、脅威アクターによって簡単にアクセスされるおそれがあります。攻撃者は多くの場合、これらのシークレットを標的にして、他の重大なインフラストラクチャコンポーネントへのアクセス権を取得します。
非常に多くの脆弱性が考えられるため、Kubernetes環境のセキュリティを維持することは困難に思えるかもしれません。そのため、多くの組織がKubernetesのセキュリティ確保に戦略的なアプローチを採用しています。このアプローチには、防御策と迅速な対応能力の両方が含まれています。このアプローチがKSPMです。
KSPMの概要
KSPMとは、Kubernetesクラスターを継続的に監視してセキュリティのベストプラクティスを実施し、潜在的な脅威や脆弱性から環境を保護するフレームワークです。最終的にKSPMは、Kubernetesリソースのセキュリティ状態に対する包括的な可視性をもたらすことを目指しています。
KSPMの主要な機能および能力は次のとおりです。
- リアルタイムのモニタリングとコンプライアンスチェック:KSPMツールはKubernetes環境を積極的に監視し、セキュリティポリシーに照らして設定とリソースの状態を継続的にチェックすることで、コンプライアンスを確保します。この継続的な監視により、設定ミスやセキュリティ標準からの逸脱をリアルタイムで特定できます。
- ポリシーの適用と異常検知の自動化:KSPMソリューションは、セキュリティポリシーの適用を自動化します。これらはクラスタ内の異常や潜在的な悪意のある活動を検知します。KSPMソリューションは、問題を検知するとアラートを送信し、事前定義されたアクションを行ってリスクを軽減します。
- 既存のセキュリティツールとの統合:KSPMはスタンドアロンソリューションではありません。むしろ、より大きなサイバーセキュリティ戦略の一環として、SIEM(セキュリティ情報およびイベント管理) システムやCNAPP(クラウドネイティブアプリケーション保護プラットフォーム) などの既存のセキュリティインフラストラクチャとシームレスに統合するように設計されています。
KSPMとCSPMの違いは何ですか?
セキュリティエンジニアは、CSPM(クラウドセキュリティポスチャ管理) ツールに精通していても、KSPMとCSPMの違いについてよく理解していない可能性があります。CSPMツールは、さまざまなクラウド環境にわたるリスク管理に広く焦点を当てており、KSPMは、Kubernetes内でコンテナ化されたアプリケーションやサービスを管理するときの運用上およびセキュリティ上の独自の課題に対処するように特別に調整されています。
KSPMでは、Kubernetesの動的でスケーラブルな性質に合わせて設計された特別なポリシーフレームワークと制御を提供します。これは、コンテナオーケストレーションの複雑な詳細に必ずしも対応していない、より一般化されたCSPMのアプローチとは異なります。
KSPMは従来のセキュリティ対策とどのように異なりますか?
従来のセキュリティ対策は、多くの場合、境界ベースの防御に依存します。これらは、コンテナ化された環境とエフェメラルリソースの動的な性質にはあまり適していません。一方、KSPMは、境界を防御するだけではなく、クラスター内のセキュリティに焦点を当ててています。
このように境界ベースのセキュリティから設定およびポスチャ管理に移行することで、最新のクラウドネイティブ環境の複雑さに対処します。今日の環境では、アプリケーションとサービスは継続的に展開され更新されています。セキュリティ対策は適応性と応答性に優れている必要があり、このコンテキストでKSPMが効果的なソリューションになります。
KSPMの利点とは?
KSPMは多くの利点をもたらすため、クラウドネイティブ環境やKubernetesを使用する組織にとって不可欠になっています。主な利点には以下のものがあります。
- セキュリティとコンプライアンスの強化:KSPMは、すべてのKubernetes設定が業界標準とセキュリティのベストプラクティスに整合するようにし、セキュリティ侵害につながる可能性のある一般的な脆弱性の防止に役立ちます。
- 可視性と制御の向上:KSPMでは、Kubernetesリソースの設定とセキュリティポスチャに関する詳細なインサイトが与えられるので、セキュリティチームは環境を明確に理解できます。可視性が改善されることで、セキュリティチームはセキュリティリスクをプロアクティブに管理し、深刻な脅威に発展する前に問題に対応できます。
- 攻撃対象領域の縮小と脅威への迅速な対応:KSPMツールは、Kubernetes環境のセキュリティ設定を継続的に監視し、微調整することで、攻撃対象領域を最小限に抑えるのに役立ちます。異常や侵害が発生した場合、KSPMソリューションは影響を受けた領域を迅速に特定して分離し、攻撃に対応しその影響を軽減するのにかかる時間を大幅に短縮します。
詳細
Falcon Cloud Securityを使用して、パブリッククラウドとプライベートクラウド全体ですべてのKubernetesクラスターとコンテナを検出、マップ、スキャンする方法の詳細をご覧ください。
CrowdStrike Falcon Cloud SecurityでKubernetesセキュリティを確保する
この記事では、Kubernetes環境の保護におけてKSPMの不可欠な役割を強調してきました。KSPMは、継続的モニタリング、コンプライアンスチェック、自動化されたポリシー適用で、一般的な脆弱性と重大な脆弱性に対処します。全体的には、KSPMは、セキュリティチームに大幅に改善された運用上の可視性をもたらします。
KSPMの最も重要な利点には、セキュリティポスチャの強化、Kubernetes環境に対する制御の向上、サイバーリスクの大幅な削減などがあります。
CrowdStrike Falcon® Cloud Securityは、現代の企業で使用されているクラス最高のCNAPPであり、オールインワンプラットフォーム内でKSPMとCSPMを統合しています。また、Kubernetesアドミッションコントローラーなどのツールを活用して、セキュリティを強化します。Falcon Cloud Securityは、CSPM機能を使用して、ソフトウェア開発ライフサイクルのすべての段階にわたるKubernetesデータを集約し、Kubernetesのリスクの完全な概要を提供します。
クラウドセキュリティを簡素化し、侵害を阻止します。
CrowdStrike Falcon® Cloud Securityを選ぶ理由
- プロアクティブセキュリティ:インフラストラクチャ、アプリケーション、API、データ、AI、SaaSにわたるCSPM(クラウドセキュリティポスチャ管理)を単一のセンサーで統合
- 重要な点を特定:業界をリードする脅威インテリジェンス、エンドツーエンドの攻撃パス、ExPRT.AIを活用して、アラートノイズを95%削減
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- 統合運用:強化された可視性とリスクの優先順位付けにより、運用サイロを解消し、効果的な修復を実現