ワイパー攻撃は、標的のシステム上にあるデータの完全な削除や破損を狙ったマルウェアベースの攻撃です。これらの攻撃が成功すると、システムが動作しなくなり、データが完全に失われます。ワイパー攻撃の影響は非常に深刻なので、決して軽視できません。そのため、テクノロジーの専門家は、ワイパー攻撃の仕組み、そして防御方法について理解しておく必要があります。
この記事では、ワイパー攻撃の概要、ワイパー攻撃の仕組み、そして防御、検知、影響緩和のためのサイバーセキュリティ戦略について説明します。
ワイパー攻撃の定義
ワイパー攻撃は、標的のシステム上にあるデータの破壊や破損を狙ったマルウェアの一種です。ワイパー攻撃は、データを暗号化して身代金を要求するランサムウェアとは異なります。また、システムを過負荷状態にすることを狙って大量のリクエストを送り付けるサービス拒否 (DoS) 攻撃や分散型サービス拒否 (DDoS) 攻撃とも異なります。ワイパー攻撃は、データを完全に喪失させることを目的としています。ワイパー攻撃の手法は、地政学的な対立やハクティビズムを背景とする攻撃でしばしば使用されます。
ワイパー攻撃が危険な理由
ワイパー攻撃がどのような攻撃かを理解するとともに、ワイパー攻撃がもたらすリスクの重大度について認識することも重要です。ワイパー攻撃は、軽微なセキュリティ上の問題ではなく、データを失うだけにとどまらない、壊滅的な影響をもたらす可能性があります。以下にそのような影響の例を示します。
- 回復不能な損害:ワイパー攻撃により、重要なファイルやデータが完全に削除されてしまうため、保護の仕組みを備えていないシステムは復旧できなくなります。
- 深刻なビジネスの中断:重要なデータの喪失は、業務運営に深刻な影響をもたらします。業務運営の中断は、重大な経済的損失につながります。
- ブランドの信頼や信用に対する長期的な影響:ワイパー攻撃のインシデントにより、企業の信用が毀損され、顧客からの信頼が失われます。このような事態は、ビジネスに長期にわたる深刻な影響をもたらします。
- 通信や公益事業関連サービスの中断:ワイパー攻撃は、地政学的な対立において、通信の遮断や、公益事業の妨害に使用されています。
ワイパー攻撃の仕組み
一般的なケースでは、ワイパー攻撃はフィッシングEメール、悪意のあるダウンロード、感染したWebサイトなどの感染ベクトルから始まります。ワイパー攻撃のマルウェアは、これらの最初の入り口を足掛かりにして、標的のシステムへの侵入を試みます。フィッシングEメールは、一見正当なメールのように文面が作成されており、無防備な受信者がシステムにマルウェアをインストールするよう仕向けます。その他にも、攻撃者はソフトウェアの脆弱性を悪用したり、侵害されたWebサイトを使用したりすることで、標的のシステムにマルウェアを送り込みます。
侵入に成功したマルウェアは、実行フェーズへと移行し、ファイル、データベース、ドライブ全体など、削除や破損の標的を特定します。その後、権限昇格の手法などを使用して、システムファイルへのアクセス、そしてその改竄や削除を試みます。ワイパー攻撃は、可能な限り多くのデータを喪失させ、システムを運用不能にすることを目指しています。
ワイパー攻撃の成功を許した場合は非常に深刻な影響が生じます。特に、ワイパー攻撃では重要なシステムファイルやユーザーデータを標的とする特徴があるため、その影響は深刻です。通常の業務運営が行えなくなり、重大な経済的損失や信用の毀損につながります。
防御、検知、影響緩和の戦略
ワイパー攻撃に対する最初の防御線は、警告となる早期の兆候に気づくことです。システムの異常な振る舞いは、ワイパー攻撃が進行していることを示している可能性があります。以下のような異常な振る舞いに注意します。
- 予期しないファイルの変更
- システムのシャットダウン
- 不正なユーザーアクセス
ネットワークトラフィックおよびシステムログの継続的モニタリングにより、このような異常を見つけることができます。異常を見極めるにあたっては、システム監視ツール、ファイル分析、脅威インテリジェンスを使用することが重要となります。これらのツールは、異常なシステム変更、静的ファイル分析の変化、不正な転送を検知することができるので、早期の警告システムとしての役割を果たします。
ワイパー攻撃が疑われる場合、インシデント対応が重要となります。サイバーセキュリティ戦略の一環として、インシデント対応計画を策定する必要があります。インシデント対応においては、以下の手順をただちに実施します。
- 影響を受けたシステムを隔離し、マルウェアの拡散を防ぐ
- 徹底的なフォレンジック調査を実施して、攻撃の範囲を把握する
- さらなる損害の発生を防ぐための適切な対策を講じる
バックアップ戦略はセーフティネットとしての役割を担います。システム上の重要なデータは、定期的にバックアップする必要があります。バックアップは、メインのネットワークから直接アクセスできない場所に保管します。アクセスできてしまうと、バックアップもワイパー攻撃の標的となりかねません。
最後に、パッチ管理はサイバーセキュリティにとって欠かせないプラクティスです。すべてのソフトウェアおよびシステムが、最新のセキュリティパッチが適用された最新の状態であることを定期的に確認します。対処されていないセキュリティの脆弱性がある場合、特にそれらの脆弱性が攻撃者に知られている場合、ワイパー攻撃などの脅威の被害を受ける危険性が高まります。
詳細
セキュリティコミュニティによって過去10年に発見されたさまざまなワイパーについて、オペレーティングシステムを対象とするワイパーで採用された各種手法を含めて説明します。
CrowdStrike Falconプラットフォームによる保護
ワイパー攻撃は、回復不能なデータの喪失や、深刻なビジネスの中断につながる恐れのある重大な脅威です。このような攻撃を防御し、その影響を緩和するには、プロアクティブなサイバーセキュリティ対策が必要です。
投資に値するサイバーセキュリティシステムに共通して備えられている機能として、継続的モニタリング、インシデント対応、自動化されたパッチ管理があります。CrowdStrike Falcon®プラットフォームは、ワイパー攻撃などのサイバー脅威に対する堅牢かつ包括的な保護を提供します。あらゆる環境、クラウド、アーキテクチャにわたってシステムを防御できます。
企業のサイバーセキュリティにおけるプロアクティブな対策をご希望の場合は、こちらから登録することによりFalconプラットフォームを無料でお試しいただけます。詳細については直接クラウドストライクまでお問い合わせください。