クラウドストライク2026年版グローバル脅威レポートエグゼクティブサマリー:AI時代に必読の脅威インテリジェンスレポート
ダウンロード

LLM (大規模言語モデル) とは何か

大規模言語モデル (LLM) を使用することで、企業とコンシューマーはいずれも、AIの力を活用して業務を変革し、生産性を一変させることができます。LLMはその高度な自然言語処理機能によって、生産性を倍増させることができます。ただし、LLMの台頭はサイバーセキュリティに独自の課題も生み出します。この課題により、攻撃者の手口が形成され、現代の防御側の日常の役割が変化しています。

この記事では、LLMとは何か、サイバーセキュリティに与える影響、SecOpsチームがどのように保護にLLMを活用し、AIによって生まれた新たな形の脅威に対する防御を行っているかを詳しく説明します。まず、コアとなる概念から見ていきましょう。

生成AIとLLM

生成AI (GenAI) は、テキスト、コード、画像、音声、動画など、さまざまな形式の新しいコンテンツを作成することに特化した、AIの一部です。生成AIの発展の中心となっているのがLLMです。LLMは、人間の言語を理解および生成する卓越した能力を発揮します。

LLMが登場する前は、従来の言語モデルはより小規模なデータセットと単純なアルゴリズムによって制限されていました。言語の微妙な違いや複雑さを把握する能力にも、使用可能な計算能力にも制約がありました。最近のLLMの飛躍的発展によって、データサイエンティストははるかに大規模なデータと複雑さに対応できるようになりました。LLMはコンテキストを理解し、一貫性のある文章を生成し、さらにこれまでAIでは実現できなかったある種の「創造性」を発揮することさえできるようになりました。

LLMは、いくつかの重要な技術とプロセスを必要とします。

  • 非常に大規模なデータセット:LLMは、幅広い人間の知識と言語を網羅する、広範囲にわたるデータのコレクションを基にトレーニングされます。
  • 高度なアルゴリズム:Transformerモデルなどの技術によって、LLMは以前のモデルよりはるかに正確に、コンテキストや文章内の単語間の関係を理解できるようになりました。
  • ニューラルネットワーク:LLMは、人間の脳の働きを模倣したニューラルネットワークを基に構築されているため、より高度な理解とコンテンツの生成が可能です。
  • NLP(自然言語処理):この基盤技術によって、LLMは人間の言語を意味があり、文脈的にも関連性がある内容として解釈、理解し、生成できるようになりました。
  • 継続的な学習:LLMは一般に継続的にトレーニングされ、時間の経過とともに新しいデータを取り込んで、その能力を改善し、更新していきます。

ほとんどのAI分野と同様に、LLMの有効性におけるデータの役割は、どれだけ誇張してもしすぎることはありません。LLMを効果的にトレーニングするために重要なのはデータの量だけではありません。品質と多様性も重要です。トレーニングデータには、幅広いトピック、言語、形式が含まれているため、LLMは翻訳からコンテンツ作成、質問への回答、会話のシミュレーションまで、さまざまなタスクを驚異的な精度と関連性で実行できます。

LLM(および生成AI)は、コンテンツ作成、カスタマーサービス、さらにはソフトウェア開発といったタスクに対する企業の取り組み方を変革しました。ただし、医療、金融、政府、教育などの分野でLLMベースのアプリケーションが普及していることから、生成AIの安全で責任ある導入を促進する、効果的なセキュリティ対策の必要性が高まっています。

詳細

クラウドストライクは、10年以上前にシグネチャベースのウイルス対策の代わりにAIを活用した保護を初めて導入したときから、人工知能 (AI) を先駆的に活用してきました。それ以来、当社のプラットフォームには常にAIがしっかりと組み込まれています。詳細をご覧ください。

ブログ:クラウドストライクの生成AIセキュリティアナリスト、Charlotte AIの紹介

LLMを使用する場合のセキュリティに関する考慮事項

さまざまな分野でLLMの導入が増え続けるに伴い、セキュリティを確保する際の複雑さも増しています。その機能の広範さ、処理するデータの機密性、自動化するワークフローを考えると、LLMアプリケーションをセキュリティで保護することは、悪用、データ侵害、その他の脆弱性を防ぐうえで極めて重要です。主なセキュリティの考慮事項には、次のものがあります。

  • 専有データや機密データの取り扱い:適切な保護手段を講じずにLLMのトレーニングで機密データを使用した場合、プライバシーの侵害やデータ漏洩が発生する可能性があります。
  • データパイプラインおよびツールのセキュリティ:LLMの開発で使用されるデータパイプラインとツールのセキュリティを確保することは、不正アクセスやデータの改ざんを防ぐために必要不可欠です。
  • モデルの保護:攻撃者は、モデルのトレーニングデータを改ざんして整合性を失わせ、悪意のある出力を生成させようとすることがあります。
  • データの理解:トレーニングデータに内在するバイアスが、ステレオタイプや表される特徴の不公平性を永続化し、増幅させる可能性があるため、そのようなバイアスを特定して軽減するための対策を講じる必要があります。

OWASP Top 10 for Large Language Model Applicationsに、LLMアプリケーションのセキュリティを確保するためのその他の詳細なガイダンスが記載されています。

サイバーセキュリティにおけるLLM:良い面

生成AIには、サイバーセキュリティを変革する大きな可能性があります。特に、熟練した人材が恒常的に不足していることで有名な業界において、ワークフローの効果と効率を大幅に向上させることが期待されています。CrowdStrike® Charlotte AI™などのサイバーセキュリティソリューションを利用することで、組織における脅威の検知と対応の効率を大幅に向上させることができます。最新のサイバーセキュリティプラットフォームは、AIネイティブな脅威インテリジェンスおよび検知機能と連携することで、膨大な量のデータを分析して業務に利用できるようにしながら、あらゆるスキルレベルのユーザーに実用的なインサイトを提供することができます。このサポートは、脅威が急速に進化しており、軽微なインシデントで収まるか、重大な侵害となるかが検知の速度によって決まるような状況で特に重要です。

自然言語を理解し、処理するLLMの能力も、組織がEメールやソーシャルメディアの投稿などの非構造化データを調査して、フィッシング攻撃やマルウェア、その他のサイバー脅威のわずかな痕跡を特定するために役立ちます。

LLMとサイバー脅威:悪い面

残念なことに、現代の防御側にとって価値のあるLLMの機能は、サイバー犯罪者も武器として利用することができます。ダークAIの出現は、LLMを使用して、より本物らしいフィッシングEメールを作成し、悪意のあるコードの生成を自動化し、偽情報キャンペーンでソーシャルメディアを操ることができることを示しています。FraudGPTのようなツールは、LLMを悪意のある目的に利用できることの証左であり、サイバーセキュリティの防御における課題を生んでいます。

LLMは、デジタル分野において新たな軍拡競争を引き起こしました。サイバー犯罪者が悪意のある目的のためにAIを利用すれば、防御側も一歩先を行くためにAIの力を活用しなければなりません。このような力関係があることから、サイバー攻撃者の進化する戦術に適応しながら対抗することのできる最先端のAIソリューションを開発し、実装することの重要性は明らかです。

詳細

昨年、AIは爆発的な成長を遂げましたが、ほとんどの組織は未だに、LLM技術を自社のサイバーセキュリティ戦略にどのように組み込めばいいか思案しています。このエピソードでは、AIモデルの急速な進化を解き明かし、防御側にLLMがどのように役立っているか、企業の自動化にLLMが及ぼす影響、そしてAIを活用したツールが進化しても、人間の役割がなくならない理由について詳しく見ていきます。

ポッドキャスト:AI Through the Defender’s Lens: A Chat with CrowdStrike’s Global CTO

生成AIおよびLLMベースのアプリケーションの保護

この記事では、LLMの影響と仕組み、特に、さまざまな業界における生成AIアプリケーションの基盤としての変革的な役割について見てきました。また、これらのモデルがいかにデジタルイノベーションの状況を一変させたかを紹介しました。LLMベースのアプリケーションを開発し、展開する際のセキュリティ上の考慮事項について、特に日々巧妙化しながら進化を続けるサイバー脅威の観点から説明しました。

このような課題に直面したとき、AIネイティブなサイバーセキュリティツールが重要な役割を果たします。これらのツールは、AIを活用した脅威に対抗するために作られており、サイバーセキュリティの最先端を体現しています。CrowdStrike Falcon®プラットフォームは、AIを活用した攻撃の痕跡 (IOA) などのソリューションを活用し、脅威インテリジェンスと脅威ハンティングにおいてAIネイティブな保護を提供します。Charlotte AIなどの高度なシステムが組み込まれたFalconプラットフォームを利用することで、企業は今日のサイバー脅威アクターに対して先制的な立場を確立することができます。

Falconプラットフォームの詳細については、今すぐクラウドストライクまでお問い合わせください

ルシア・スタンハムは、クラウドストライクのプロダクトマーケティングマネージャーとして、サイバーセキュリティにおけるエンドポイント保護 (EDR/XDR) とAIを担当しています。2022年6月よりクラウドストライクに勤務しています。