クラウドストライク2026年版グローバル脅威レポートエグゼクティブサマリー:AI時代に必読の脅威インテリジェンスレポート
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クラウドファイアウォールの定義

クラウドファイアウォールは、クラウドサーバーを保護する境界として機能し、厳格な認証を適用し、リクエストをフィルタリングすることで、認証されていないクライアントからの悪意ある可能性のあるリクエストをブロックします。クラウドファイアウォールは、クラウドセキュリティにおける重要なコンポーネントです。今日のビジネスでは、深刻なコストと被害をもたらすデータ侵害からサーバーを保護するため、クラウドセキュリティへの関心が高まっています。そのため、クラウドファイアウォールの役割を正しく理解することは重要です。

この記事では、クラウドファイアウォールの仕組みと、それがクラウドセキュリティの基盤となった理由を解説します。また、クラウドファイアウォールならではの利点や、導入時の課題についても取り上げます。

クラウドファイアウォールの概要

クラウド環境では、コンピューター同士が相互に通信し、インターネットを通じて他のコンピューターともやり取りを行うネットワークが構築されています。クラウドファイアウォールは、クラウド環境の負荷や規模の増大にシームレスに対応しつつ、内部リソースを攻撃から守ります。

クラウドファイアウォールは、事前に定義されたルールに基づいて動作します。これらのルールでは、どのクライアントがどのサーバーにアクセスでき、またそのサーバーのどのポートが開かれているかが指定されています。クラウドファイアウォールはこれらのルールを適用し、不審なリクエストパターンをもとにクライアントからのリクエストをブロックし、悪意のあるアクターがサーバーにアクセスするのを防ぎます。

ファイアウォールは数十年前に登場し、パブリッククラウドプロバイダーが登場する前から存在していました。従来、ファイアウォールは次の2つのカテゴリに分類されていました。

  1. 物理ファイアウォール:物理的な場所(通常はネットワーク境界)に設置されたハードウェアデバイス。

  2. 仮想ファイアウォール:仮想マシンに最適に対応するように設計された、ソフトウェアベースの仮想アプライアンス。

従来のインフラストラクチャとは異なり、クラウド環境は柔軟で、リクエストの量に応じてサーバーを即座にスケーリングできます。順応性がある環境への移行に伴い、ファイアウォール技術の概念を再定義する必要がありました。

クラウドファイアウォールとオンプレミスファイアウォール

クラウドファイアウォールは、主に展開方法とスケーラビリティの点でオンプレミスファイアウォールと異なります。オンプレミスファイアウォール(物理デバイスまたは仮想デバイス)は、企業のデータセンター内で管理され、内部ネットワークとそのアセットを保護するように設計されています。組織のネットワークが拡大するにつれて、これらのオンプレミスファイアウォールには、手動での設定、継続的なメンテナンス、そしてハードウェアのアップグレードが必要となります。

一方、クラウドファイアウォールはクラウドプロバイダーによって完全に管理されるため、エンジニアは煩雑なメンテナンスの負担から解放されます。クラウドファイアウォールは従量課金制モデルで運用され、クラウドインフラストラクチャのニーズに合わせて自動的にスケーリングします。これにより、手動での介入やハードウェア管理が不要になります。

クラウドファイアウォールの主な機能

トラフィック検査とフィルタリング

クラウドファイアウォールは、認証されたリクエストのみがオリジンサーバーに送信されるようにする防壁として機能します。このフィルタリングは、プロトコルやポート番号など、いくつかのパラメーターに基づいて行うことができます。クラウドファイアウォールは、アプリケーションレイヤーでディープパケットインスペクション (DPI) を実行することができ、リクエストのペイロードから情報を取得して、悪意のあるコンテンツを検知することが可能です。

脅威の検知と防御

クラウドファイアウォールは、トラフィックデータを監視して収集することによって、疑わしいアクティビティを特定することができます。たとえば、特定のIPアドレスから異常な量のリクエストが送られている場合、それは差し迫った分散型サービス拒否 (DDoS) 攻撃の兆候である可能性があり、クラウドファイアウォールは自動的にこの攻撃をブロックします。トラフィックデータの分析により、既知の悪意のあるバイトシーケンス(シグネチャ)を特定することができます。さらに、SQLインジェクションのような高度な攻撃を、攻撃が発生する前に軽減したり、認識されていないIPアドレスからのトラフィック急増などの異常を検出したりすることができます。

ポリシーの適用

クラウドファイアウォールは、さまざまな条件に基づきアクセス制御ポリシーを作成し適用します。ロールベースのポリシーは、クライアントのIPアドレスではなく、クライアントが引き受けるロールに基づいてネットワークルールを適用するポリシーで、パブリッククラウドプロバイダーでの採用が広がっています。これは、静的でなりすましが容易なネットワーク属性からアクセス制御を切り離し、代わりに権限をクライアントのアイデンティティに直接結びつけるため、一般的にはより安全であると考えられています。

ロギングとモニタリング

クラウドファイアウォールのもう一つの重要な役割は、ネットワークトラフィックを継続的に監視し管理することです。また、こうした監視データを常に更新される脅威インテリジェンスと照合し、疑わしいリクエストをブロックして新たな脅威を防ぎます。クラウドファイアウォールはリクエストの履歴を追跡してログに記録します。これは傾向や異常な振る舞いパターンを特定するための貴重な情報源となります。

クラウドファイアウォールを使用するメリット

拡張性と柔軟性

クラウドの柔軟な特性により、サーバーは1日のうちに何度もプロビジョニングや使用停止が行われることがあります。クラウドファイアウォールは、手動での介入なしに、新たにプロビジョニングされた各サーバーが他のサーバーと同じルールセットで保護されることを保証します。

管理の一元化

クラウドファイアウォールの設定が一元的に管理されます。これにより、管理者の作業負荷が軽減され、多くの繰り返し作業が排除されます。また、エンジニアはIaC(コードとしてのインフラストラクチャ)を使用することで、複数の環境にわたって同一の設定でクラウドファイアウォールを迅速にプロビジョニングできます。

また、クラウドファイアウォールの企業コンプライアンスはクラウドプロバイダーによって一元的に管理されるため、組織の法的負担が大幅に軽減されます。

費用対効果

クラウドリソースの従量課金制モデルにより、トラフィックが少ない場合はクラウドファイアウォールのコストが削減されます。これにより、ピーク時以外の期間に組織が大幅にコストを削減できる可能性があります。さらに、クラウドファイアウォールのアップグレードや機能強化はクラウドプロバイダーが完全に管理するため、組織はこれらのメンテナンス作業にリソースを割く必要がなくなります。

セキュリティポスチャの強化

クラウドファイアウォールは、DDoS攻撃を即座に阻止できるシールドとして機能し、ファイアウォールルールによってブロックされたサーバーポートに悪意のあるアクターのアクセスを防ぎます。また、どのサーバーポートにアクセスできるか、そして誰がアクセスできるかを定めるルールを適用し、厳格なアクセス制御を行います。これによって強力な防御の第一線が実現し、攻撃者がインフラストラクチャ内でエクスプロイトを探す試みを防ぎます。

クラウドファイアウォールの展開モデル

クラウドネイティブなファイアウォール

AWS、Google Cloud、Azureなどの主要なクラウドプロバイダーが、各自のプラットフォームでさまざまなファイアウォールソリューションを提供しています。インスタンスレベルおよびサブネットレベルのファイアウォールはOSIモデルのレイヤー3およびレイヤー4で動作しますが、Webアプリケーションファイアウォール (WAF) はレイヤー7で動作し、一般的には従量課金制で提供されます。

サードパーティのFWaaS(サービスとしてのファイアウォール)ソリューション

多くのサイバーセキュリティ企業は、独自のレイヤー7ファイアウォール技術をサービスとして提供しています。これらのサービスは、一般的にクラウドプロバイダーのサービスを超える高度な機能を備えており、さまざまな高度な攻撃から保護するために特別に設計されています。

ハイブリッド展開

ハイブリッドファイアウォールは、オンプレミスファイアウォールとクラウドファイアウォールを組み合わせたものであり、ハイブリッドクラウドソリューションに対して強化されたセキュリティを提供します。組織が独自のオンプレミスデータセンターを運用している場合でも、フルマネージドのクラウドファイアウォールをプロビジョニングしてセキュリティを強化し、オンプレミスファイアウォールの負担を軽減できます。オンプレミスワークロード向けのクラウドファイアウォールは、オンプレミスファイアウォールが誤動作した場合のフェイルセーフとしても機能します。

一般的な課題とソリューション

クラウドファイアウォールの管理は、システムが拡大し多様化するにつれて、ますます複雑になります。

  • マルチクラウド環境:複数のクラウドプロバイダー間でファイアウォールを管理すると、設定の不整合が生じる可能性があり、このような場合には自動ポリシー同期などの技術を活用する必要があります。

  • セキュリティポリシーをすべてのインスタンスと環境に一貫して適用するためには、潜在的なギャップを防ぐために綿密な監視と頻繁な更新が必要です。

  • 大量のデータとアラート:エンタープライズシステムは毎日数十億件のリクエストを処理しているため、ファイアウォールはこの膨大なデータ量をスムーズに処理し、悪意のあるアクティビティを迅速に特定してブロックできることが不可欠です。

ダナ・ラヴェ(Dana Raveh)は、クラウドストライクのデータおよびクラウドセキュリティを担当する、プロダクトマーケティング・ディレクターです。クラウドストライクに入社する前は、Seemplicity SecurityやFlow Security(クラウドストライクにより買収)などのサイバーセキュリティ新興企業でマーケティングチームを率い、マーケティング担当副社長を務めました。また、Checkmarx社など数多くのグローバル企業で製品管理および製品マーケティングを担当。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで認知神経科学の博士号を取得しています。