クラウドストライク2026年版グローバル脅威レポートエグゼクティブサマリー:AI時代に必読の脅威インテリジェンスレポート
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ハニートークンの概要

今日の企業がサイバー犯罪者や悪意のある攻撃に先んじるために最善を尽くしている中、新しいセキュリティツールや戦略に遅れずについていくことが不可欠です。従来使用されてきた技術の中で、欺瞞技術は重要な役割を果たしており、攻撃者を欺くためにおとりや罠を展開することがよくあります。しかし、従来の欺瞞技術は、展開や運用の複雑さ、リスクの増大、脅威の識別の遅延を引き起こすことがよくあります。

従来の欺瞞技術に代わる効率的で安全な手段として、ハニートークンがあります。ハニートークンは悪意のあるアクティビティを迅速に検知するのに役立ち、多くの場合、セキュリティチームにとって早期警告システムとして機能します。

この記事では、ハニートークンの仕組みを解説し、ハニートークンを実装したり、他のセキュリティツールの中からハニートークンを選択したりする際のベストプラクティスを提供します。

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ハニートークンの定義

ハニートークンは、攻撃者にとって魅力的に見えるよう意図的に設計されたデジタルリソースであり、不正使用の兆候を示すものです。これらはシステム内で実際の用途を持ちません。しかし、ハニートークンが使用された場合は、不正アクセスの可能性があるとしてアラートがトリガーされます。

ハニートークンには、次のようなさまざまな形態があります。

  • ドキュメント:機密情報(財務データや知的財産など)を含んでいるように見せかけたファイルで、開かれるとアラートをトリガーするものです。
  • データベースレコード:一見価値があるように見えるダミーのデータベースレコード(顧客情報、業務データ、従業員の認証情報など)で、アクセスされると侵入の兆候を示すものです。
  • 認証情報:偽のユーザー名、Eメールアドレス、パスワードなどをアプリケーションや設定ファイル内に戦略的に配置し、それらが使用された際に悪意のあるアクティビティの可能性を示すものです。
  • トークン:使用されると悪意のあるアクティビティの可能性を示すアクセストークンやAPIキーです。

ハニートークンの主な目的は、リソースへの不正アクセスや不正使用を検知することです。この検知とアラートメカニズムを組み合わせることで、迅速なインシデント対応が可能になります。

ハニートークンとハニーポット

ハニートークンはハニーポットに似ているように見えるかもしれませんが、重要な違いがあります。ハニーポットはサイバー攻撃者を引き寄せるために設定された疑似システムです。ハニーポットは実際のシステム(サーバー、アプリケーション、ネットワークなど)を模倣していますが、明らかな脆弱性が含まれており、セキュリティチームによって厳密に監視されています。悪意のあるアクターがハニーポットとやり取りすると、セキュリティチームはその攻撃手法を観察し、理解することができます。そのインサイトを基に、セキュリティチームは対策を準備できます。

ハニーポットとは異なり、ハニートークンは攻撃者を引き寄せるための単純なデータです。データセットやシステム内に配置されたハニートークンの唯一の正当な機能は、不正アクセスを示すことであり、セキュリティチームに潜在的な侵害を警告します。悪意のあるアクティビティの早期検知を支援するだけでなく、ハニートークンはセキュリティチームがシステム内の攻撃ベクトルやパターンをよりよく理解するのにも役立ちます。攻撃者をおびき寄せ、その攻撃経路を分析することで、組織は攻撃者の行動をより良く把握し、セキュリティポスチャを強化するためのポリシーを実施するための情報を得ることができます。

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Active Directoryの脆弱性は、攻撃者がアイデンティティに焦点を絞るにつれて、組織にとってますます大きなリスクとなっています。攻撃者が戦術を進化させる中で、私たちの防御も進化させなければなりません。

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ハニートークンの仕組み

ハニートークンは、攻撃者の好奇心や貴重なリソースへアクセスしたいという欲求を利用して機能します。正規で価値のあるアセットのように見せかけることで、ハニートークンは攻撃者にとって魅力的に映ります。攻撃者は貴重な情報を発見したと思い込んでいても、実際にはセキュリティチームに警告を送るトラップを作動させてしまっているのです。

ハニートークンを効果的に活用するためには、組織は戦略的な展開、検知、そして対応に重点を置く必要があります。

ハニートークンの展開

アプリケーション、システム、またはネットワーク内にハニートークンを戦略的に配置することは、攻撃者にとって魅力的に見える本物のリソースを模倣することを目的としています。展開の第一歩として、組織は攻撃者に狙われる可能性の高い、リスクや価値の高いアセットを特定します。これは、機密性の高い顧客情報を含むデータベースや、知的財産が含まれていると見せかけたサーバー上のフォルダーである可能性があります。

潜在的な標的を特定したら、ハニートークンを実際のアセットのそばに配置したり、アプリケーションやシステム内に埋め込んだりします。例えば、ドキュメント型のハニートークンには、本物の機密文書とよく似たファイル名や内容を持たせることができます。また、実在するように見える(しかし偽の)認証情報を設定ファイルに挿入することもあります。

ハニートークンを慎重に配置することで、正規のリソースに自然に溶け込み、攻撃者がそれにアクセスしてしまう可能性を高めることができます。

ハニートークンの検知

ハニートークンの使用が効果を発揮するのは、それらにアクセスされたり使用されたりした際にアラートがトリガーされる場合に限られます。ハニートークンは本来、権限のないユーザーがアクセスすることを想定しているため、関連するあらゆるアクティビティは不審なものと見なされます。つまり、検知およびアラートシステムにおいてフォールスポジティブが発生することはありません。侵入検知システム (IDS) やSIEM(セキュリティ情報およびイベント管理)などのツールは、ハニートークンの利用状況を追跡し、アラートを生成するように設定することが可能です。

インシデント対応

ハニートークンがトリガーされた場合、セキュリティチームはインシデント対応計画を実行できます。このプロセスには、攻撃者に関する情報(IPアドレスなど)の収集、アクセスパターンの追跡、そして組織内システムへの侵入範囲の特定が含まれます。さらに、セキュリティチームは、周辺の(侵害されている可能性のある)リソースをロックダウンできます。

ハニートークンの主な目的は侵入の迅速な検知ですが、セキュリティチームは、組織全体のセキュリティポスチャを強化するのに役立つ貴重なインテリジェンスを収集できます。

ハニートークンの実装におけるベストプラクティス

ハニートークンを実装する場合は、次のベストプラクティスを考慮してください。

適切なタイプのハニートークンを選択する

組織のアセットと潜在的な脅威に最も関連するハニートークンの種類を特定します。例えば、不正なデータベースアクセスのリスクが高い場合、データベースレコードハニートークン(価値があるように見えるダミーレコード)を使用することが賢明です。まず最も優先度の高い脅威に焦点を当て、その分野で悪意のあるアクティビティを検知するのに役立つハニートークンを選択します。

ハニートークンを適切に配置する

ハニートークンは、攻撃者の標的となる可能性のある場所に配置する必要があります。戦略的な配置の目的は、攻撃者が本物のアセットと偽物を区別しにくくすることです。これには、ハニートークンを実際のアイデンティティ、データ、またはリソースと並べて配置することが含まれる場合があります。

ハニートークンを既存のセキュリティインフラストラクチャと統合する

ハニートークンの効果には検知が不可欠であるため、組織はハニートークンの使用の検知を既存のセキュリティツールやインフラストラクチャと統合する必要があります。サイバーセキュリティのパートナーを持つ組織は、アイデンティティ保護 (IDP) などのツールを活用し、ハニートークンへのアクセスの監視とアラートを組み込む必要があります。

ハニートークンを定期的に更新および保守する

ハニートークンの定期的なレビューと更新の計画を立てます。これにより、ハニートークンの効果と関連性が維持されます。ハニートークンドキュメント、認証情報、トークンの内容を変更することで、組織はハニートークンを最新のセキュリティプラクティスや組織の変更に一致させます。ハニートークンはセキュリティチームによって適切に文書化される必要があります。また、組織はハニートークンへのアクセスが従業員などの内部からも行われる可能性があることに注意する必要があります。これは、従業員による悪意のある振る舞い動や、攻撃者が有効な従業員の認証情報を使用してアクセスしたことを示している可能性があるため、無視しないでください。

まとめ

現代のサイバーセキュリティにおいてセキュリティチームが使用するツールの中で、ハニートークンの利用がますます一般的になっています。ハニートークンは、従来の欺瞞技術に代わる強力な手段であり、軽量で保守が容易なうえ、悪意あるアクティビティに関する情報を即座に提供できます。戦略的に展開することで、侵入の早期検知を実現することが可能です。組織の既存のセキュリティツールと組み合わせることで、ハニートークンはセキュリティチームのツールキットにおける非常に貴重なアセットとなり得ます。

Falcon Next-Gen Identity Securityのハニートークン機能

CrowdStrike Falcon® Next-Gen Identity Securityは、セキュリティ防御を強化するための高度なハニートークン機能を提供します。ユーザーは、潜在的な攻撃者のおとりとして機能するハニートークンアカウントを(当社の推奨事項に基づいて)作成できます。これらのハニートークンに対するすべての操作が詳細なアラートをトリガーします。セキュリティチームは攻撃経路や攻撃者が使用した手法に関する詳細なインサイトを得ることができます。Microsoft AD (Active Directory) と連携する際には、CrowdStrike Falcon® Next-Gen Identity Securityのユーザーは、追加の設定やリソースを必要とせず、AD内でアカウントにハニートークンとしてフラグを立てることができます。また、組み込みのポリシーにより、これらのハニートークンアカウントを厳密に制御できます。そのため、組織はより安全に計算されたリスクを取ることができます。 

ナレンドランは、CrowdStrikeのID保護およびゼロトラストの製品マーケティングディレクターです。同氏は、サイバーセキュリティのスタートアップ、およびHPやSolarWindsなどの大企業で製品マーケティングとGTM戦略の推進業務を17年以上努めてきました。以前は、CrowdStrikeが買収したPreempt Securityで製品マーケティングディレクターを務めていました。ナレンドランは、ドイツのキール大学でコンピューターサイエンスの修士号を取得しています。