マネージドSIEMとMDRの比較
現在のサイバー空間では、リスクがかつてないほど高まっています。防御を突破し、脆弱性を悪用するために、攻撃者は常に新たな手法を編み出しています。こうした変化の激しいサイバー環境に、企業はうまく対処する必要があります。セキュリティツールは発展しましたが、熟練したサイバーセキュリティ専門家の不足という差し迫った課題がまだ残されています。監視すべきものがあまりにも多すぎて、対応できるスタッフの数が不足しています。
最近の報告では、中小企業で働くセキュリティ専門家の73%が、優先度の高いセキュリティアラートを見逃した、無視した、対応を怠ったと回答しています。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。それは、スタッフも時間も不足しているからです。1
スタッフのリソースと専門知識のギャップに対処するために、多くの組織がセキュリティチームの補完として、マネージドSIEM(セキュリティ情報およびイベント管理) やMDR(マネージド検知・対応) のようなアウトソーシングサービスを利用しています。こうしたサービスは、プロアクティブな監視、迅速なインシデント対応に加え、機密データの侵害や業務の中断につながる可能性のあるサイバー脅威からの24時間体制の保護に大きく貢献しています。
Anywhere Real Estate
このユーザー事例をお読みになり、米国ニュージャージー州に拠点を置く不動産コングロマリットであるAnywhere Real Estate社がCrowdStrikeを使用してどのようにセキュリティ体制を好転させたのかをご確認ください。
ユーザー事例を読むマネージドSIEM
従来型のSIEMは環境のあらゆる部分からデータを取得し、それを一元化された単一のプラットフォームに集約することで、悪意のあるアクティビティを可視化します。これには多くのノウハウが必要であり、ここでマネージドSIEMサービスが役立ちます。熟練した専門家チームの蓄積された知識と技量を利用することにより、マネージドSIEMは脅威検知の複雑さを簡素化するだけでなく、SIEMシステムの効果を高めます。組織のデジタル環境全体にわたる多様なソースからの堅牢なログ取り込み、相関付け、分析を通じて、マネージドSIEMは一元化された可視性とプロアクティブな脅威検知機能を提供します。
さらに、マネージドSIEMサービスはコンプライアンスレポートの作成を容易にし、組織が規制要件を満たし、業界標準への準拠を実証できるよう支援します。専門家チームに支えられている堅牢な機能により、マネージドSIEMは一元化された可視性と、セキュリティイベントの早期発見を実現します。これにより、組織は業務の中断が引き起こされる前に潜在的な脅威を未然に特定できるようになります。
MDR
MDRは、テクノロジーと人の専門知識を組み合わせてサイバー脅威のリアルタイム検知と対応を行うサイバーセキュリティサービスです。MDRサービスは従来のセキュリティソリューションとは異なり、防御を重視するのではなく、ネットワーク、エンドポイント、およびクラウド環境を継続的に監視して疑わしいアクティビティや潜在的な侵害を特定します。MDRプロバイダーは24時間体制の監視、脅威ハンティング、インシデント対応、および修復サービスを提供します。これによって、組織はセキュリティポスチャを強化し、サイバーリスクを速やかに緩和できるようになります。
比較分析
これらのマネージドサービスの対象範囲をよく理解し、どのサービスがニーズに適しているのかを判断できるように、主な属性をいくつか比較してみましょう。
| マネージドSIEM | MDR | |
|---|---|---|
| 検知と対応 | マネージドSIEMは検知の原動力と考えます。SIEMが組織全体からデータを取り込んで分析し、サービスプロバイダーのセキュリティ専門家がそのデータをレビューし、検知を評価し、優先度に基づいてアラートを通知します。 | MDRサービスの検知機能は、サービスプロバイダーが含める基盤となるテクノロジーに依存しています。しかし、プロバイダーはエンドポイントにおいて、高い確率でエージェント付きのEDR(エンドポイント検知・対応) ソリューションを利用する可能性があります。これにより、MDRサービスプロバイダーはサービスの一環として対応にプロアクティブに取り組むことができます。 |
| 拡張性と柔軟性 | マネージドSIEMは、SIEM検知の最適化とアラートのトリアージのためにプロバイダーからの詳細な専門知識を提供する、拡張性に優れたサービスです。既存のセキュリティチームを持つ組織に理想的です。 | MDRサービスは、動的な環境に適応可能なクラウドベースのプラットフォームを持つスケーラブルなソリューションを提供します。セキュリティのすべての面にわたる包括的なサービスサポートを求める組織に適しています。 |
| 費用対効果 | マネージドSIEMは、SIEMプラットフォームとスタッフの増強を含むサブスクリプションベースのサービスです。専門知識をアウトソーシングすることで、投資コストが減少し、組織内部のセキュリティチームにかかる負荷が軽減されます。 | MDRはサブスクリプションベースの脅威検知およびインシデント対応サービスです。コストは、サービスに含まれるテクノロジーの対象範囲に応じて異なります。 |
今後の動向
いくつかの新たな傾向によって、AIと自動化を中心にサイバーセキュリティを取り巻く状況が変化しつつあります。
サイバー脅威が次第に巧妙化する中で、AIを活用した分析モデルの統合により、潜在的なリスクの特定と緩和のための比類ない機能が提供されます。マネージドSIEMとMDRのプロバイダーはAIを活用するようにサービスを適応させ、高度な分析を活用して脅威検知の効率性と精度を向上させています。
さらに、自動化はセキュリティサービスプロバイダーによる日常的なタスクへの取り組みと修復ワークフローの開始を支援します。これにより、レスポンスアクションが促進され、データ侵害の機会が減少します。AIを活用したテクノロジーと自動化を採用することによって、マネージドSIEMとMDRプロバイダーは、さらに高度かつプロアクティブなサイバーセキュリティサービスを提供できるようになります。
マネージドサービスの選択
組織のニーズに最適なマネージドサービスを選定する際には、セキュリティチームが最も支援を必要としている領域に注目するとよいでしょう。
対応の取り組みを処理できるセキュリティチームが内部にありながら、SIEMを管理し、検知を最適化し、コンプライアンスログの監視要件を満たすために専門家のサポートが必要な組織には、マネージドSIEMサービスが理想的です。
内部にセキュリティスタッフのリソースが不足し、検知から対応までの攻撃のライフサイクル全体にわたってサポートが必要な組織の場合は、MDRが適しています。自社特有のセキュリティニーズを把握し、そのニーズに沿った適切なマネージドセキュリティサービスを利用することで、組織のセキュリティ防御を効果的に補強し、進化する脅威によるリスクを軽減することができます。