クラウドストライク2026年版グローバル脅威レポートエグゼクティブサマリー:AI時代に必読の脅威インテリジェンスレポート
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デジタルフォレンジックの概要

管理するデータの量とサイバーセキュリティ攻撃の数が増え続ける中、企業は組織全体からデジタル証拠をすばやく収集し、分析して、対処できなければなりません。高度なデジタルフォレンジックソリューション(特にAIと機械学習 (ML) を活用したもの)を利用することで、チームはこうしたアクティビティを自動化して、攻撃の発生元を効果的に追跡する、実用性のあるインサイトで迅速に対応する、セキュリティ対策を周知して今後同じような攻撃を防御するといったことができるようになります。

この記事では、進化し続けるデジタルフォレンジックの世界と、組織がこれを利用してセキュリティポスチャを強化する仕組みを詳しく見ていきます。

デジタルフォレンジックとは

デジタルフォレンジックは、システムデータ、エンドポイントデータ、ユーザーアクティビティなどデジタル証拠となるものを調査するフォレンジックサイエンスのサブセットであり、組織はセキュリティインシデント、侵害、内部の脅威を特定し、対応して、防御できるようになります。また、サイバー攻撃の背後にいると考えられる人物および攻撃に使用された手法を突き止める場合にも、デジタルフォレンジックを使用できます。

デジタルフォレンジックは、次のような複数の主要なアクティビティで構成されています。

  • 複数のソースからのデジタル証拠の収集

  • デジタル証拠の分析とインサイトの生成

  • デジタル証拠の保全による整合性の維持

  • 法的に許容される形式でのデジタル証拠の提示

2024年版脅威ハンティングレポート

クラウドストライク2024年版脅威ハンティングレポートでは、245を超える現代の攻撃者の最新の戦術を明らかにし、これらの攻撃者がどのように進化し続け、正当なユーザーの振る舞いを模倣しているかを示します。侵害を阻止するためのインサイトをこちらから入手してください。

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サイバーセキュリティにおけるデジタルフォレンジックの重要性

エンドポイントの急増とサイバー攻撃数の増加により、デジタルフォレンジックは組織のセキュリティ戦略と脅威ハンティング機能の重要な要素となっています。クラウドコンピューティングへの移行に加え、リモートワークの急拡大により、組織は接続されているすべてのデバイスを幅広い脅威から保護する必要に迫られています。

デジタルフォレンジックは、組織がセキュリティ体制を強化するうえで役立つ重要な機能をいくつか備えています。

  • セキュリティインシデントの根本原因を特定します。

  • 攻撃に対応し、修復できるよう、チームを支援します。

  • 予防的セキュリティ対策を策定し、強化することで、将来の攻撃を軽減するための実用性のあるインテリジェンスを提供します。

  • 法的手続きや調査で使用できる可能性がある証拠を復旧し、保全します。

  • 監査、企業コンプライアンス、レポート生成に役立つドキュメントの作成作業をサポートします。

上に挙げた機能により、組織はリスク全般を軽減する、対応時間を改善する、アクティビティをすばやく修復する、責任者を特定するといったことができるようになります。

インシデント対応における役割

デジタルフォレンジックは、インシデント対応において重大な役割を担っています。インシデント対応は、データ侵害に備え、検知し、封じ込めて復旧するために組織が従う包括的なプロセスです。

デジタルフォレンジックをインシデント対応作業の一環として実施すると、対応チームは攻撃をすばやく効果的に封じ込めて修復するために必要な実用性のあるインテリジェンスを得ることができます。これにより、すばやく復旧への道を切り開き、攻撃に伴う損害を最小限に抑え、内部と外部の調査をサポートできる有益な証拠を保全できるようになります。

デジタルフォレンジックとインシデント対応は非常に密接に関連しているため、最先端のセキュリティソリューションではこうしたサービスをまとめてバンドルして、DFIR(デジタルフォレンジックとインシデント対応)という1つの機能に統合しています。

DFIRソリューションでは、デジタルフォレンジックの手法とツールを利用して、デジタル証拠をすばやく分析し、攻撃の媒体と範囲を特定します。次に、インシデント対応を適用して、攻撃を封じ込めて解決します。

デジタルフォレンジックとインシデント対応を単一の統合ワークフローにまとめると、組織はすばやく効果的に脅威を軽減するとともに、修復プロセス中に証拠が紛失したり破棄されたりしないようにすることができます。また、DFIRはインシデント後のレビューにも役立ちます。チームは、攻撃を再構築し、セキュリティポスチャ内の弱点を特定して、将来同じような攻撃を受けても防御できるように有益なインサイトを獲得できます。

インシデント対応はリアクティブなセキュリティ機能ですが、高性能のツールと高度なテクノロジー(AIやMLなど)により、組織によってはDFIRを利用して予防的な対策を周知できます。そのため、DFIRはプロアクティブなセキュリティ戦略でより大きな役割を果たし始めています。

法律上およびコンプライアンス上の影響

デジタルフォレンジックは、組織が法的要件とコンプライアンス要件を満たすうえで重要な役割を果たします。データ侵害やその他のサイバーセキュリティイベントが発生した場合には特にそうです。以下では、法的チームと規制チームにとってデジタルフォレンジックがどのように役立つのかを見ていきます。主に次の3つの手段があります。

1. 証拠保全:デジタルフォレンジックツールは、改ざん防止データログを作成します。これにより、調査期間やその後の法的手続きの間に侵害の証拠が改ざんされず、信頼性の高いものであることが保証されます。

2. 報告義務:状況によっては、組織は特定の期間内に侵害を報告することが法律で義務づけられています。デジタルフォレンジックは、流出したファイルなど、どのようなデータが侵害されたかをまとめた信頼性の高い記録を提供することで、組織の報告プロセスを支援します。

3. プライバシー保護:組織は、厳格なデータプライバシー規則を維持する必要があります。従業員や顧客の振る舞いの調査を実施するときには特にそうです。デジタルフォレンジックツールにより、組織は一般データ保護規則 (GDPR) やカリフォルニア州消費者プライバシー法 (CCPA) など関連するすべての規制を確実に遵守できるようになります。

詳細

クラウドストライクのトラッカースプレッドシートとそれがインシデント対応調査中にDFIR(デジタルフォレンジックとインシデント対応)コミュニティにどのように役立っているかについては、こちらのブログでご確認ください。

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デジタルフォレンジックでよく使用される手法

デジタルフォレンジックでは、サイバーセキュリティインシデントを特定し、調査して、対応するのに欠かせない幅広い特殊な手法を使用します。よく使用されるデジタルフォレンジック手法は次のとおりです。

  • ファイルシステムフォレンジック:エンドポイント内のファイルシステムを分析して、侵害の兆候を特定します。
  • メモリフォレンジック:揮発性メモリ (RAM) を分析して、ファイルシステム内に現れていない可能性がある隠れたプロセス、アクティブな脅威、攻撃の痕跡を明らかにします。
  • ネットワークフォレンジック:ネットワークアクティビティ(Eメールを送信する、メッセージングを送る、Webを閲覧するなど)をモニタリングおよび分析して、攻撃を検知し、インシデントの範囲を評価して、サイバー犯罪者の攻撃手法と意図を特定します。
  • モバイルデバイスフォレンジック:スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスからデータを収集して分析し、デジタル証拠を抽出して、サイバーインシデントに対応したり、攻撃を把握したりします。デジタル証拠の形式には通話ログ、テキストメッセージ、位置データ、アプリケーション使用状況といったものがあり、他にもチームによる調査と対応に役立つさまざまな形態のデータがあります。
  • ログ分析:コンピューターで生成されたイベントログとアクティビティレコードをレビューし解釈して、疑わしいアクティビティや異常なイベントを特定することで、セキュリティに対する脅威やバグといったリスクをプロアクティブに特定できるようになります。
  • ディスクイメージング:物理的なディスクやストレージデバイスの仮想コピーを作成することで、チームは元のデータを変更することなくその内容を分析できるようになります。
  • データ復旧:紛失、削除、破損したか、アクセス不可となったファイルを取得することで、インシデント対応と攻撃の調査を支援します。

デジタルフォレンジックに使用されるツール

デジタルフォレンジックでは、調査担当者がデータ整合性を維持するとともに重要な情報を明らかにできるように、証拠を収集、分析、保全するように設計されたさまざまな専用ツールを利用します。主要なツールには次のものありますが、これらに限定されるわけではありません。

  • EnCase:EnCaseは、Guidance Softwareからデジタル調査製品群の一部として提供されるソフトウェアソリューションです。セキュリティ分析、ディスクイメージング、証拠提示といったフォレンジック分析機能を利用できます。
  • FTK Forensic Toolkit:FTK Forensic Toolkitは、Exterroが所有し運用するフォレンジックソフトウェアソリューションです。証拠データの処理とインデックス付けが速いことで知られているソリューションであり、イメージの収集とアーティファクトの検知に優れています。
  • Autopsy:Autopsyは、ファイルシステムの分析、キーワードの検索、タイムラインの生成といった機能を備えたオープンソースツールです。Basis Technology Corp.とコミュニティプログラマーによって維持されています。
  • Wireshark:Wiresharkはネットワークパケットアナライザーであり、キャプチャしたパケットデータをできる限り詳しく提示するツールです。特に、ネットワークフォレンジックで役立ちます。
  • XRY:XRYは、特にモバイルデバイスフォレンジック向けに設計されたデジタルフォレンジック製品です。スウェーデンのMSAB社が開発、運用しており、さまざまなスマートフォン、タブレット、GPSナビゲーションツールからデータを抽出できます。

デジタルフォレンジックの課題

組織はデジタルフォレンジックに関してさまざまな課題に直面していますが、そのほとんどは管理しなければならないデータ量が膨大であることや、技術を取り巻く状況が急速に進化していることに起因しています。以下に、組織がデジタルフォレンジック機能を開発、運用、進化させていく中で、よく理解しておくべき最も重要な課題をいくつか提示します。

  • データ暗号化データ暗号化はプレーンテキストをエンコード形式に変換するプロセスであり、これにより証拠にアクセスして分析するのが格段に難しくなります。データ暗号化はあらゆるサイバーセキュリティ戦略の重要なコンポーネントですが、チームは脅威アクターから組織を保護するために使用する暗号化手法がデータの収集と分析を妨げないようにする必要があります。
  • クラウドストレージ:クラウドストレージはデジタルデータを離れた場所にあるサーバーに保存する行為であり、そのため証拠を収集するのが複雑になります。クラウドベースのデータには分散するという性質があるため、複数のクラウドサーバーにわたるデータを単一のビューにまとめて表示できるように、調査担当者にはデータイメージング、データ復旧、リモートデータの保護と分析について高度なスキルが求められます。
  • データ量:今日のデジタル環境では膨大な量のデータが生成されるため、情報を効果的に収集して分析するために多くの時間とリソースが必要になります。またデータがさまざまなソースから収集されるため、組織はデータを漏れなく正確に表示できるように、データをフォーマットし標準化するための措置を講じなければなりません。
  • アンチフォレンジック手法:アンチフォレンジックとは、攻撃者が証拠を不明瞭化、暗号化、または破棄することで調査を阻止するために使用する手法のことです。チームは、攻撃を受けている間に操作または削除された可能性がある証拠とデータを復旧できるように必要なソリューションを開発しなければなりません。
  • デジタルの進化:デジタルを取り巻く状況はかつてないほど速く進んでおり、日々新しいテクノロジー、ツール、手法が導入されています。デジタルフォレンジックソリューションを引き続き有効に機能させるには、変化に遅れずに対応するだけでなく、攻撃者の一歩先を行く必要があります。組織は、データを正常に抽出できるようにオペレーティングシステム (OS)、ソフトウェア、デバイスを定期的に更新する必要があります。また、最先端のテクノロジーを利用する高度なツールに投資して、強固なセキュリティポスチャを確立する必要があります。

デジタルフォレンジックの未来

サイバーセキュリティを取り巻く状況のあらゆる側面の場合と同じく、デジタルフォレンジックの未来は急速に進化しています。以下に、変化の最も重要な推進要因と、そうしたテクノロジーが組織のデジタルフォレンジック機能をどのように高めるかを示します。

自動化とAI

今日のデジタル世界では、データが急激な速さで作成されています。現在、専門家の推定によると、毎日4億テラバイトを超えるデータが作成されています。膨大な量のデータの収集を管理し、そのデータから実用性のあるインサイトを引き出すには、AI/MLを使用してデータの収集、処理、フォーマット、標準化、分析、保管、廃棄などコアとなるアクティビティを自動化するツールを導入する必要があります。データ量が今後も増えていく中で、チームが制御を維持するために取り得る唯一の方法は、自動化を効果的に使用してこうしたプロセスを効率化することです。

ブロックチェーンテクノロジー

ブロックチェーンは、ピアツーピアコンピューターネットワークによって維持される改ざん防止台帳を使用して情報を記録するための手段です。このテクノロジーにより、データを変更、操作、または削除することが非常に困難になるか、ほぼ不可能になります。逆に言うと、ブロックチェーンではフォレンジック証拠を保管し、検証することが容易になります。こうした機能により、ブロックチェーンは攻撃を受けている間にデータと証拠を保持するうえで重要な役割を果たし、組織は何が起こったのか、アクティビティの背後に誰がいたのか、どのように対応すればよいかを把握できます。

クラウドフォレンジック

クラウドストライクグローバル脅威レポートでは、攻撃者がグローバルに導入が進むクラウドをどのように活用してクラウドを主戦場としているかを重点的に取り上げました。この傾向により、企業がクラウドベースのデジタルフォレンジックソリューションといった強固なセキュリティソリューションを使用可能にする必要に迫られています。クラウドに保存されているデータは性質上分散されており、収集して分析するのが困難になっています。そのため、チームが特にクラウド向けに設計されたツールを導入し、スケーリングする必要性が浮き彫りになっています。

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2025年版
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レポート

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必読の年次サイバーセキュリティレポートをご覧ください。

クラウドストライクのデジタルフォレンジックソリューション

CrowdStrike Falcon® Forensicsは、フォレンジックデータの収集、エンリッチメント、相関付けを自動化することで、チームがサイバー攻撃にすばやく対応して復旧できるようにするエンドツーエンドのセキュリティソリューションです。AI、ML、自動化を使用してフォレンジックデータの収集と分析を効率化するため、チームは組織全体で大規模な調査をすばやく実施できます。

主な機能は次のとおりです。

  • エンドポイントフリート全体にわたって特定の時点と過去のフォレンジックデータを自動的に収集し、複雑さを軽減して、ワークフローを簡素化します。

  • 脅威インテリジェンスを統合する統一プラットフォームにより、効率を最大限に高め、豊富なコンテキストをフォレンジックデータに追加します。

  • 脅威ハンティング、定期的な侵害調査、アセットリスク分析などさまざまなユースケースを使用できるため、組織は投資を最大限活用することができます。

CrowdStrike Falcon® Data Protectionは、統合エージェントと単一のコンソールに基づいた卓越したデータ保護を実現した業界唯一のAI搭載プラットフォームであり、組織の環境からすでに外へ出たデータまたはこれから出ようとしているデータに対してデジタルフォレンジックを実施できます。Falcon Data Protectionには、重要な差別化要因がいくつかあります。

  • データ整合性保証:権限のある管理者のみが、取得したデータを復号化できます。

  • 安全な証拠:データがクラウドストライクやその他の事業者と共有されることはありません。

  • 一連の保護 (CoC) 保証:承認された管理者のみが証拠を取得し、復号化できます。

  • 堅牢な監査:社内チームのアクションを追跡できるよう、監査ログが維持され、レビューされます。

Falcon Data Protectionによる外向き機密データに対するデジタルフォレンジックの有効化

データセキュリティイベントが検知された場合、何が行われるでしょうか。

Falcon Data Protectionにより、セキュリティチームはすばやく効果的にインシデント対応と修復を実施できます。

MLベースの検知による自動データ分析:Falcon Data Protectionの機械学習モデルによって、ユーザーの振る舞いとピアグループアクティビティを自動的に分析して、パターンを認識し、重大な問題を浮き彫りにできます。Falcon Data Protectionでは、外向きデータの一般的な振る舞いのベースラインを構築することで、ファイルがUSBドライブや個人のクラウドストレージに転送されるといった異常アクティビティや悪意のあるアクティビティを検知できます。続いて、検知したイベントについて詳しい情報を生成します。関与しているファイル、ユーザー情報、データ分類(例えば、個人を特定できる情報、保護対象保健情報、ペイメントカード業界の規制対象となる情報)のほか、データ量、ファイル数、普段とは異なる場所といった指標などです。

データフォレンジックの証拠の取得およびキャプチャ:Falcon Data Protectionは、異常なイベントを特定すると、データを分類して、組織がフォレンジック分析の証拠を取得できるようにします。コンソールを切り替えることも、複雑なスクリプトを使用することもなく、組織は、Webに移動されたか、USBにコピーされたか、別の場所に貼り付けられたかにかかわらず、外向きイベントに関与するファイルをダウンロードできます。データのセキュリティを確保するために、Falcon Data Protectionは取得した証拠をエンドポイント上の保護された場所に保存するので、クラウドストレージが不要であり、改ざんや難読化が防止されます。

ナレンドランは、CrowdStrikeのID保護およびゼロトラストの製品マーケティングディレクターです。同氏は、サイバーセキュリティのスタートアップ、およびHPやSolarWindsなどの大企業で製品マーケティングとGTM戦略の推進業務を17年以上努めてきました。以前は、CrowdStrikeが買収したPreempt Securityで製品マーケティングディレクターを務めていました。ナレンドランは、ドイツのキール大学でコンピューターサイエンスの修士号を取得しています。